善業善果・悪業悪果
わたし死後やばいんでない?
じつは、私はこの夏以来、ずっと気になっていたことがありました。
と申しますのも、夏に誓教寺のご住職である藤本慈照さんの書かれた【餓鬼事経】という本を読んだのですが、その中に非常に気になることが書かれていたからでございます。
それで今回参加した瞑想合宿で、誓教寺の奥様であるR子さんに相談したのでした。
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餓鬼道とはどういう世界か?
そもそも餓鬼道というのは仏教の説く『六道輪廻』という輪廻する六つの世界の中のひとつです。
私たちが、どのような生活をするかで「天界」、「人間界」、「阿修羅界」、「餓鬼界」、「畜生界」、「地獄界」のどれかに生まれ変わるとされています。
この六つの世界のなかのどこかに、生まれ変わりつづけることを『六道輪廻』といいまして、悟らないかぎり、きりなく六道の中をぐるぐると生まれ変わりつづけることになります。
それで、お釈迦様はそういうきりのない輪廻のなかで生きるのはむなしいので、さっさと悟って輪廻から【解脱】しなさいと説かれているのです。
ちなみに人間でいる間でしか悟ることはできません。
ですから人間界に生まれてくるのは非常に貴重なことなんだそうです。
さて、餓鬼とはわたちたちのいう「幽霊」のことでして、生前に悪い行いをしたために、それが悪業となって、飢えや乾きにさいなまされながら、長い間【餓鬼道】という世界で苦しまなくてはならない生命なんだそうです。
そういった餓鬼の話をまとめたものが【餓鬼事経】なのですが、その中に「天宮餓鬼」というたいへんユニークな存在があります。
「天宮餓鬼」とは、生前にとてもよいことをして、善業を積んでいたのにもかかわらず、死ぬときに少し執着があったり、少し悪いことをしたために、天界へ行くことができず、餓鬼界に生まれ変わってしまった餓鬼のことです。
餓鬼といってもこの場合は、生前に善いこともたくさんしているので、美しい容姿で、宮殿に住むことができるなど、とてもいい生活ができるのですが、反面悪いこともしているため、その結果として宮殿に住みながら裸で生活しなくてはならないといったようなちぐはぐな結果を受け取るはめにおちいってしまいます。
そして、わたしがこの本の中で特に気になったのが第36話の【アンバサッカラ王】という題のお話だったのです。
じつはいたずら大好きのわたくし
この第36話【アンバサッカラ王】では、ある商人が主人公になっています。
この商人は、非常に徳の高い人で、泥でぬかるんだ道を修繕するというボランティアをしたり、性格も穏やか怒ることもなく、優しい言葉で話をし、つねに他の人のよいところを見るというような人でした。
しかし、その人はいたずら好きでもあったらしく、友人が沐浴をしているときに服を隠して困らせたあとに返すといったようなこともしていました。
そして彼は死後、生前の善いおこないの報いで、美しい姿で、天界の神通力をもった土地神様に生まれ変われたのですが、一方いたずらをした報いで服がない「素っ裸」というちぐはぐな結果を受けとることになってしまったのでした。
これを読んで私は
まずい!
と思ったのでございます。
といいますのも、わたくしはこのようなブログを書いているにもかかわらず、じつはいたずらには目がないタイプだからでございます!
あんなことやこんなこと、思いおこせばつい最近まで、同僚におこなってきたいたずらの数々・・・。
まずい!ひっじょ~にまずい!
今、一生懸命、瞑想したり、五戒や十善戒を守る努力をしているにもかかわらず、他方でいたずらもせっせとしている現状では、死んだあとちぐはぐな結果を受けとる可能性がすごく高いということではございませんか!
素っ裸くらいですめばいいですが、それよりもっと悪い報いを受ける可能性はいくらでもあるわけでして、本を読みながら青くなった私だったのでございました。
それで、瞑想合宿のときに、誓教寺の奥様であるR子さんに相談したのです。
R子さんは「いたずらといってもいろいろあるわけで、困らせてやろうと思ってしたいたずらは悪業になるけれど、その人を元気づけようと思ってしたのなら善業になるのではないでしょうか」とお答えになりました。
ポイントは、その人を思ってやったことかどうかということになります。
それではポンタ丸、ここで自信を持ってお答えします!
そして、今までしてきた数々のいたずらを深く反省し、わたくしのいたずら心を封印することにしたのでございます。
みなさまもどうぞご注意ください。
ささいないたずらでも報いはしっかりあるとこのお話は教えてくれています。
善いことをしたら、よい結果となって帰ってきますし、悪いことをしたら悪い結果が帰ってきます。
それが、生前に帰ってくるか、生まれ変わった後に帰ってくるかはわかりませんが、法則ですので必ず受け取ることになります。
ですから、今のうちにせっせと善い行いをしておきましょうと、この本は教えてくれています。
そのほかにも『浦島太郎』の原型と思われるお話や、先祖供養の仕方なども載っていますし、何よりお話としておもしろいので、興味のある方はご一読をおすすめします( ゚▽゚)/
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