良薬は口にも苦いが心にも苦い
『倒れても立ち上がれば負けはない:許すこと、それは自分との闘い~私とエゴのガチバトル』から続きます。
私は、エゴの猛烈な邪魔にもめげず、再び瞑想をはじめたわけですが、その時気づいたことがありました。
スマナサーラ長老のおっしゃったことは正しかったということです。
頑張っても、頑張っても空回りする虚しさ
私はこの5年間ずっと、ずっと今の状況を乗り越え、人生を好転させたいと願ってきました。
しかし仕事でうまくやりたいのに、事態はいつも逆になってしまうのです。
やりたかった仕事なのに別の人にまわされたり、部署が統合されて別のところに回されたり、せっかくやりがいのある仕事を任されたと思ったら、その仕事が無くなったりと、とにかく全てが裏目裏目に出てしまうのでした。
がんばっても、がんばっても空回りしてしまう虚しさ、悔しさ。
それなのに私が許せない相手は、反対にどんどん仕事をまかされ、昇進してくのでした。
だからこそ、瞑想で怒りを乗り越え、心をきれいにしていくことこそ、人生を好転させることができる最も確実な手段だと信じて、一生懸命、時間を作って瞑想をしてきたのです。
それなのに、状況は全く好転することはありませんでした。
原因は自分の執着にあった
もともと、私とその許せない相手の人とはとても仲がよかったのです。
彼女は女子力の高い人で、そのためか年配の女性から敵視されることが多かったので、よく励ましてましたし、またお互いに協力しあっていろいろと乗り越えてきた仲だったのです。
そうして一緒に頑張ってきた仲だったのに、彼女はいきなり私に背を向けてしまったのでした。
もちろん今では私にも多少なりとも問題はあったとわかりますが、そのときは全く予期せぬことだったので、ものすごくショックだったのです。
又、それを境にしていろんなことが短期間に一度に起きて、私の心はパニックに陥り、怒りが心にぺったりと貼りついたような状態になってしまったのでした。
私がそれでも仕事を辞めなかったのは、どうせここでまた逃げても乗り越えるまで同じようなことが繰り返されるだろうとわかっていたからです。
ここで逃げたらもう後がないと肚をくくって、乗り越えることを選択したのです。
しかし、また乗り越えようという心の裏には、私を裏切った彼女を見返してやりたいという気持ちが強く働いていたのでした。
私はどうしても彼女が許せなかった。
見返してやらないと、どうしても気持ちが収まらなかったのです。
そして、それが瞑想を頑張る原動力にもなっていたのです。
しかし、残念なことに執着心があると絶対に物事は上手くいかないのです。
おそらく執着があると心に余計な力が入って、正しい判断や行動ができなくなる為です。
体に力が入ると、失敗するのと同じ理屈です。
私も頭ではそれは解っていました。
しかし、心で理解していなかったのです。
瞑想をしていたのにも関わらず、心があまりに曇っていたため見えなかったのでした。
結局、5年間私は自分の執着心のために、ずっ~と空回りしていたということになります。
智慧のある方の助言は良薬だが、ものすごく苦い
スマナサーラ長老は私からの相談を受けて、すぐにそのことに気づかれたのです。
ただ、智慧のある方は私たちの目を覚まさせ、正しい方向へ導くことが目的なので、耳に快いことは言われませんし、どちらかというと劇薬に近い言葉を言われることも多々あるそうです。
(本でもそのようなことを書いておられました)
私への助言もまさに劇薬。
もう苦いのなんのって、めちゃくちゃ苦い!
でもおかげで私の目は覚めたのでした(^◇^;)
『執着は捨ててなんぼ:許すこと、それは自分との闘い~私とエゴのガチバトル』に続きます。